White atelier BY CONVERSE

グラフィックデザイナーとして活躍後、写真家として独立した後藤洋平さん。
写真を撮ることに対する思いや自身のデザイン観を聞かせてもらいました。

ーいろんな人の目線に立てる、
写真家になりたいな、と。

専門学校卒業後はグラフィックデザインの会社に就職しました。家族経営のすごく雰囲気のいい会社で、直属の上司は才能豊かな人。居心地はよかったけど、自分はグラフィックデザインで彼にとても敵わないと気付かされました。それなら自分ができることを活かして、一緒に仕事ができたらと思い、写真の道に進むことにしたんです。

僕は、自分のことを「カメラマン」とは思っていません。捉え方は人それぞれだとは思いますが、カメラを扱うだけの人ではないと思っています。年々、機材の性能は上がっていて、ある程度の写真は撮れます。でも、写真家として、クライアントが求めるものを撮るだけではなく、自らどんどん提案していくべきだと。

たとえば広告の仕事だったら、プロダクトを作った人、売る人、買う人、グラフィックデザイナー、コピーライター。それぞれの目線に立って、どうやったらベストなものになるか。そういうことを考えて写真を撮りたいと思っています。

ーこのシューズを履いて、
前を向いて歩いてもらえたら。

オールホワイトのオールスターって単純に美しいですよね。コラボレーションするなら、この白さを活かしたいと思い、「白」をテーマに写真を撮りました。

1つめは僕の中で白の象徴である、牛乳。2つめは、オールホワイトのオールスターそのもの。モノとしての強度、理に適った機能美を伝えられたらと思い、奇をてらわずに撮りました。そして、石。石はふだんから集めていて、海とか旅先の海外の路上とかで一目惚れして、連れて帰ることもあります。この石は、ホームセンターの園芸売り場で見つけたもの。いい感じに美しくて、身近な感じがありました。

今回、モチーフとして身近であるかどうかは重要です。オールスターは身近なもののほうがしっくりくると思ったので。ただ、影の落とし方にこだわりました。石に照明をあてて、後ろに影が落ちるように。これは、履いた人自身に光があたって、前を向いて歩いてほしい。そういう意味を込めています。

ー“デザイン”は身近なもの。
特別視しないでほしい。

僕は専門学校でグラフィックデザインを学びましたが、世間の「デザイン」に対する価値観にズレがあると感じています。多くの人が、デザインを特別視しすぎ。センスや技術、知識がある人だけがすることと間違った解釈をされているんじゃないかって。

でも、みなさん、ふだんから料理をしたり、メモをとったりしますよね。それもデザインだと思うんですよ。何かをとびきりかっこよくすることだけじゃなくて、形を作ることがデザインだと思うんです。それがわかっていれば、デザインがより身近になる。それっていいことだと思うんです。有名デザイナーが作ったものがすべていい、って盲信的に支持するんじゃなくって、選ぶほうにもパワーがあるべきだと。

学校の授業にデザインがあってもいいと思いますね。いま、若手デザイナーの中には地方へ行って、自分でできることを探し、イベントを企画したり、仕組みを作っている人もいる。そういうのもデザイナーの仕事だと思います。僕はそういう人たちが増えているこの現状にワクワクします。

Artist Profile

後藤洋平 / Yohey Goto

1986年京都府生まれ。桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン専攻科卒業。
Allright Graphicsを経てフォトグラファーとして活動。

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