White atelier BY CONVERSE

シンプルな線で独特の表情を生み出す、イラストレーターの佐伯ゆう子さん。
“媚びない可愛さ”を表現したいと話す彼女に、制作する上で大切にしていることを聞きました。

ーフラットな気持ちで描くことが
一番大事かな。

20代半ばくらいに絵を描く仕事をしようと思い立ち、青山塾というイラストレーションの塾へ通いました。授業の中で、装丁家の鈴木成一さんに絵を見ていただく機会があり「落書きしているような線画の方がいいよ」と言っていただいて。自分としては、線画が一番難しいと思っていたし、仕事にするのは難しいと感じていました。

今思えば、楽しんで描いていたのが伝わったのかなって。せっかくそう言ってもらえたんだから、開き直って楽しもうと思って、今の作風になりました。

線画は、技術面よりも精神面をフラットに保つことの方が大事かなと思います。描いている人の気持ちは絵に出る。それは見ている人にも伝わるので、常に題材や描きたいモノに寄り添えるようにフラットな気持ちで絵に向かうようにしています。

ークスッと笑える、
遊び心を楽しんでもらえたら。

オールスターって見た目はほとんど変わってないけど、約100年の間に結構、細かい仕様が変わってるんですね。

今回は、コンバースを連想させるもの「PEOPLE」と、実際に自分が履きたいもの「LINE」、クスっと笑える「KOALA」を作りました。「KOALA」は一見ボタニカル柄のシューズだけど、裾をあげるとコアラがいるよっていう、ハイカットじゃないとできない遊びを作りました。

私の絵は可愛すぎるわけでも、かっこよすぎるわけでもなくて、その中間地点を表現したいので、コアラの顔もなんとも言えない表情を意識しました。タンに入れたメッセージもそうで、深いことを言っているようで、何を言っているのかよくわからない(笑)。こういう遊び心のあるシューズをあえてお洒落な方にもカッコよく履いていただけたら面白いなあと思います。

ー自分らしさは
意識しなくても出てしまう。

私は自らの意志を表現する画家ではなく、制限がある中で表現するイラストレーターだと思っています。

じゃあアイデア出しはどうしているのかというと、自分で言葉を連想ゲームのように繋いで、アイデアを膨らませることが多いですね。いきなりキャンバスに描くんじゃなくて、イメージを文字やメモで起こしていく。今回で言えば「オールスター」は「赤のライン」という言葉が浮かんだので、絵の具で赤を入れようかな、とそういう感じです。あと、絵を描く時に“自分らしさ”を意識することは少なくなりました。

ふだんの生活も自分で選んで、買ったり食べたりして暮らしている。日々選択していると思います。なので、特別に意識しなくても自然な気持ちで描けば、十分自分らしさは出てしまうもの、だと。

今まで描いてきた自分を信じて、これからも題材を楽しんでいきたいです。

Artist Profile

佐伯ゆう子 / Yuko Saeki

広告、書籍、雑誌、ファッション、
ウィンドウペインティングなど国内外で活動。
ドローイングを軸に様々な企画に携わる。
2017年4月1日より代官山蔦谷にて、
およそ3年ぶりとなる個展を開催予定。

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